05.18.08:02
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10.22.16:03
Epsode01~6
「おい、聞いてんのか?」
こいつは押領司真行。かの錦コーポーレーション設立に携わった押領司財閥宗家の御曹司。
最悪なことに、私のいとこにあたるのよ!あ~、なんでもう、よりよってこいつがここにいるのよ!?
一瞬、放心状態だったあたしはこいつからはよほどの間抜けに見えたらしい。いつも以上に、うざいぐらいからんでくる。
「めぐみちゃ~ん??聞いてまちゅか~??もしかして今日あの日~??」
死ね!!
あやうくアクセロットを使うところだった!
気がついたら奴の首に回し蹴りが決まっていた――
あれっ?
効いてない??
「ひゅー、あぶね!あやうく一回死ぬところだったぜ!」
「ちょ、あんた、今なにしたの??」
「それはこっちのセリフだろ??殺人蹴りかました奴の言うことか??お前が寸止めしなかったら間違いなく死んでたぜ??あぶね~!!」
そんなはずはない。あたし、確かにこいつの首筋ねらって・・・?
なんで??
「確かに悪かったよ。んでも、おまえがあんまりボーってしてたからつい・・・
でも殺人蹴りまですることはないだろ!」
「別にもういいわよ。それよりあんたどこから現れたのよ??ここ202講義室よ??さっきまで誰もいなかったのに!」
「はあ、何言ってんだ、おまえ?ほんとに大丈夫か?ここ1号棟132歓談室だぞ?おまえこそなんでここにいるんだよ?授業じゃなかったのか??」
あれ、いつの間に??
なんで――??
10.21.16:09
Epsode01~5
「まぶしっ」
一瞬目がくらんだ。
あれっ、ここどこだろう・・・・?
前に来たことある・・・
デジャブ・・・?
その光景を認識しようとした時だった。
「うわっ、落ちる!」
突然足もとが抜けるような感覚に襲われ、不意によろめいた。
やばい!死んじゃう!
「いってーな!どこ見て歩いてんだ!」
へっ?ここどこ?
「おい、こら、人様にぶつかってなにぼけーとしてんだ!怪我でもしてたらどうしてくれんだよ?」
真行じゃん。
なんでこいつが?
あれ、こいつがいるってことは、さっきのなに?いつのまにか戻ってる?なんだったの?
10.19.16:03
Epsode01~4
「あ~つかれた~」
「めぐみへばりすぎ!いっつもサボってるからだよ!」
「んなこといってもあんなの毎日やってられないわよ」
体育実技だった。ちょっとおかしいのよね、ここ。
まあ、体制が体制なだけに、しょうがないのかもしれないけれど。
といってもまあ、女子中学生がアクロバティックな戦闘実技実習なんて、普通ありえないでしょ!
「さやか~今日GMに行かない?」
「え~、今日委員会があるんだけど!」
「一日ぐらいさぼっていいじゃん♪」
「も~、あんたと一緒にしないでよ!わたしはこれでも委員会のメンバーなんだからね!あっ、もう行かないと!じゃね!」
「はいはい、わかったわよ~」
は~、さやかも委員会に配属されて以来、付き合い悪いし。なんかもう、だるい~
からだはあちこち痛いし。もう、歳だな、こりゃ。しょうがない、帰るか。
立ち上がった時だった。
10.03.22:24
邂逅の砌~03
長々と形容した後のシチュエーションには、語るべき言葉はあまり用いる必要もあるまい?わかりきっている真実。
そう、『最悪』だった。
よくよく、あまり重要でない状況において、この言葉を多用する方々があまり見も多いせいで、これが本来もちえる深遠な意味がついつい忘れられがちである。この言葉は本来、『最も悪いもの』を対象にして用いる。しかしながら、この言葉の乱用により、言葉のデフレは深刻化し、この相対的な深みが薄らぐことも考慮しつつもあえて、言わせて頂く。『最悪』だ。
この国では、基本的に高校生相当年齢の諸君であれば、9割以上の諸君が平日の午前中は教室で各自のデスクに座り、勉学に勤しむのが慣例である。いささかイレギュラーな事態が起ころうと、それの進度にもよるが、大方修正可能であり、一定の強制力を行使すればある程度の秩序は回復される。そうして、平和な日常を諸君は過ごすことになるはずだ。
ただし、それはほんの一部の例外を除けばの話なのである。
ここには、その『秩序』が存在しない。その秩序を回復させるための機構も存在しなければ機関も存在しないし、そもそも、その秩序を回復するだけのさせるだけの強制力なんてものはどこにも存在しない。
法は、強制力が伴って、初めて法たる根拠を得る。とすれば、この空間はまさに無法地帯であり、人類が知恵を絞って構築されてきた有史以来の『法治』たる高尚な概念は、その根源から抹消されている。
事実として、そのような現象が観測される。
観察は、自然科学であれ社会科学であれ、洞察の規範である。
したがって、おれは今観測者に徹している。観測において、私情をはさむ余地はない。ただ、起こりえている事実のみを記述しているだけである。
そう、これは間違いなく事実である。すなわち、この現象は真実を内包しているのであって、これを否定するための証明は、これを肯定するためのそれよりも、多くの労力を要することは、希望的観測をするまでもなく、明らかである。
おれは目撃している。
人たるものが音を立てて『崩れ落ちて』行く瞬間を。
09.30.15:47
Epsode 01~3
「めぐみー、めぐみってば!」
あれ、ここどこだろう・・・・?
あたし何してたんだっけ??あれ?
「・・・ん~、なに・・・?」
「なにってあんた、次体育の実技テストでしょ?ただせさえ運動音痴のあんたがこれ以上点数さっぴかれてどうすんの??ついに“1”になるよ、1に!」
「はあ~、もういいいや。おやすみ・・・」
「おやすみって、あんた、私の立場もわかってんでしょうね??あんたがさぼるとわたしのチャージが減らされるのよ??あ~、体育委員なんてなるんじゃなかったよ!」
「今度なんかおごってあげるから~。おやすみ~」
「またそれ!あんたのその約束が履行されたことが一度でもあった??そもそも・・・」
「もう~、うるさいな~。わかったよ、授業に出ればいいんでしょ、出れば!」
「そう、いい子ね~、めぐみ!大好き!!」
「ちょ、ちょっと、こら!」
また揉んできやがった!!はあ~、まったくこいつは・・・・
別に体育が嫌いってわけじゃないのよ。ただ、なんで私たちのような年端もいかないような女の子たちが基本治術訓練なんて軍隊じみたいことをやらなきゃなならないのかって少し疑問に思っているだけ。ふつうの体育ばっかりだったらいいのに。バスケとか、バレーだとかとかさ。
それにしても、さっき何の夢見ていたんだろう?なんか見覚えあったのよね。風景とか、いろいろ。
ん~、まっ、いいか!
「ほら~、めぐみ、行くよ!」
「はいはい、わかってますよ!」