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  • 05/18/05:39

09.08.17:10

Epsode01~2

......................
物心ついた頃には、この都市は荒廃に向かっていた。

――かつて比類なき科学技術を駆使し、世界文明の殿堂として君臨して以来1世紀――
その栄華はあっけなく、文字通り灰燼に帰した。

皇紀2672年――。

それは、ある事件から始まった。
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07.20.22:12

Epsode01~1

はじめから分かり切っていたことだった。
おれは昔から家族とかいうのが嫌いだった。
血がつながっていようとも、そうでなかろうとも、ただ偶然同じところに引き合わされて、住まわされて、互いのことろくに知ろうとはしない癖にズカズカと人の領域に踏み込んでくる厚かましい連中――
それが嫌いだった。ガキの頃から。
いいことなんて一つもなかった。
思い出したくもねーよ。
ただ同じ怠惰な時間が平等に与えられて、無駄なじゃれあいの中にその時間を紛らわしていく。
とてつもなく苦痛だった。
終わりのない回転ジャングルジムの中でぐるぐるかき回されて、気がついたら誰もいなかった。
そんな世界だった。おれも。この世界も。
まさに、今もそうだ。
しょせん、その延長の中に今のおれもいる。
いつまでこの延長戦を続けるんだかね?クウォンツ共め・・・・・・・。



・・・・・・・・「ねえ、聞いてるの?」

あん?

優華だった。
うるせえな。なんだっていいだろ?

誤解のないように言っておく。こいつは一つ上の義姉優華。
ぐるぐる回されていたら、いつの間にか一緒に住むことになっていた。
おれは家族というものが生まれつき嫌いだった。
しょせん、その付き合いもお互いの利害関係によって簡単に変化する。
そう、親にとって子はどのような付加価値がつくのか分からない金融商品のようなものだった。
おれの場合、それが何より顕著だった。
しかも、爆弾付きの。
はっ?なんだってんだ。
えらい迷惑だった。なにより、おれの存在自体。

何もかも消えてしまえ。

その呪いは俺にとっての呪縛であり、また、そうあることが、おれにとっての唯一の安らぎでもあった。


こいつで3人目だった。義姉に当たるのは。
 

07.19.00:03

邂逅の砌~02

これは何もビジュアルの話をしているわけではない。スピリチュアルな話なのだ。
そう、ものすごく重要な。人として持つべきスピリチュアルな、そう、何というか、まっすぐな言葉で、その、そう、侵してはならないモラルがあるのだよ、ワトソン君!!!
なんなんだよ、ここは!!!!!!!!


・・・・・・・もともと、おれはこんなつもりじゃなかった。まさか、こんなところだとは思ってもみなかったんだよ。普通に考えてみろ??偏差値だけでいえば県内でも指折りのはずだ!!パンフではなんだ???高校と違って大学並みの設備の中で?あ?高度な教育が受けられますだ?あ?なめてんのか??
ただ、まあ、冷静に考えてもみろ。プロパガンダなんてものは世の常、たいてい民衆を扇動させるだけのただの道具だ。それ以下でも、それ以上でもない。むしろ、そこに羅列されている文句ほど、意味を成さないものはない。おれとしたことが・・・・・。
でもまあ、16にもなって制服着てママのおべんと持って登校なんて、そんなスタイルはごめんだったのは確かだ。もとより、あの町を早く出たかった。田舎のやつらと同じ高校に行くのも、なぜか嫌だった。そして、おれは、おれの実力一本で伸し上がり、誰にも文句言わせねー世界で俺の生き方を貫く。それが俺のポリシーだ。その点じゃ、おれの初期条件はクリアしているはずだ。高校いって受験勉強ってのだけは絶対に嫌だった。何より、文科省の馬鹿どもはノーマライゼーションしか思考パターンがねーのかよ。おれが大臣やったほうが尤もな方法でゆとりの弊害を被った哀れな後輩君たちを救うことができるぜ。あ?霞が関のみなさんよ??毎日のお仕事ご苦労さんなこって。中央の方々が俺らみたいな切り捨てられた土地に生きていた奴の気持ちがわかるかい??おれの田舎はもってあと2,30年だぜ。三位一体の改革とは語呂がいいよね。なにも考えてねー浮遊票を丸ごとかっさらっていくのには何とも都合がいいぜ。確かに、国が生き残りためには、犠牲が必要だよな。必要最小限の。被害を最小限に留めるために。
たぶん、おれもその被害者の一人なんだろうよ。行くところなんてなかったんだよ!!!
消去法だったんだよ、ここは!!最もリスクが少なく、その後の功利が最大限に生かせるところはT高校かここしかな!!
おれには高校生は無理だった。だからここにした。無駄なことはせずに、一直線に。おれはだれも辿りつついたことのない世界に生きたい。誰にも邪魔させない。
田舎の意地なのかな。
いつしか、そんなことしか考えられなくなった。
おそらく、そう、あの事件からだ。

9.11

なんてきれいなんだろう・・・。

率直に、そう感じてしまっていた。なんだ、この感覚は??
まだ若かった俺には、テロに対する恐れや恐怖などではなく、一瞬自分自身の中に宿った何かに惹かれてしまった。
人間にはこれまで認識したことにないものに遭遇したとき、それと類似している過去の経験を想起するという。
その過去の映像、そう、前にも見たことがあった気がした。
おれは確かにそれを経験していたはずだ。
今から十年前のそう、なんだったけな、あの夜何かが起こった気がしたんだが・・・、だめだ、思い出せん。

ともあれ、あれから世界が変わった。おれの世界も一変した。
こんな世界なんて、いっそ壊れてしまえばいいのに!!
ガキの頃から、ことあるたびにそんなことを願っていた。

あれから5年の歳月を経て、それは実現した。
今思えば、それは喜びの感情に最も近いものだったのかもしれない。

この退屈な世界が変わる!!それが衝撃だった。もっと衝撃的だったのは、たかがあれだけの事件で、世界が揺れたことだった。まだ世界市場の分析能力が備わっていなかった当時の俺でも、その様ははっきりと見て取れた。年取った奴らがあたふたとわめきちらし、どのメディアも神妙な顔しておんなじこと放映している!!
その様がなんとも滑稽だった。そして、確信した。
世界は変わる。いとも簡単に。それも、あっけないほどに。

セカイノ終わり なんて、ほんと簡単なことなのかもしれない。

そう感じられることが、自分の存在を肯定しているように感じれた。
世界は変えることができる!!
それが俺にとっての 希望 となった。



・・・・・・・それから3年余り。

世界はそれほど、ドラマチックな変貌を遂げてくれなかった。
それは、おれの周りの世界でも全く同じだった。

なんということか。畜生め。


おれは、目下の 地獄 に突入する覚悟をついに決め、その奈落に足を踏み入れてしまった。


06.21.21:31

邂逅の砌~01

夏至に近づく今日この頃は日の出も早い。
 俺がのろのろと寮を出る頃には、既に日は入射角45度で俺の汗ばんだ額に降り注いでいた。
暑い。また、今日はいちだんと暑い。
 まったく、どうにかしている。今年は特に。
確か2月だというのに半そでだった記憶がある。たしかあの時は真冬だというのに確か夏日越えてたって騒いでいたっけ。桜も咲き始めてたし。どうにかしてる。
温暖化万歳だぜ、畜生め!!

 毎度の如く脳裏を愚痴が支配しているうちに、むさ苦しい教室に到着した。わずか3分も経過していないのに、体は汗ばみ、無気力が体を支配していた。
・・・・もうだめだ・・・。
それには大きく分けて、以下の3つの理由が存在する。
 1つ目は、先述したように今年の気温上昇は異常だということだ。6月だというのに、真夏日がもう1週間以上も続いている。物理的に、限界である。体内の年間時計はまだ初夏の清々しい風を期待していたはずなのに、なんだ、これは・・・。
昨夜(今日?)のレポート漬けのおかげで、今朝の目覚めは世紀末級だった。湿度85%の熱帯夜だったおかげで寝心地はサタン級によかった。
もう、何を考えてるかわからん。
 2つ目の理由を思い出した・・・・・・。
レポート出してねーんだよ!!!!!!最悪の寝心地のおかげでな!!!!!!!
だーーっ、畜生め!!!!!!!
 奴に定刻遅れの紙切れは通用しない。一刀両断で粉砕されるのがオチだ。
ふん、くだらね。
 んなくそみたいなことのために、おれがわざわざ奴のとこに出向くまでもねー。
知った事かよ。

 3つ目の理由。これがもう、なんともならん。もう、ダメ。
おれのピュアな純情を瓦解させ、すでに生きる心地を崩壊させた、最大の元凶。

 男の蒸し風呂。in the 強烈なsmellルーム。

あの、おれ、なんか悪いことしたんすかね。
なんで、こんなとこにいなきゃならんの??なんで??
あの、くさいんだけど・・・・。むさいんだけど。


はやくも工場用扇風機が最大出力で汚染された空気をかきまわし、黒板に向かって会話を展開している異星人の教授と、カオスと化した教室に収容されている男ども約40が目に入ってきた。

06.10.21:04

Epsode01~

「まだ帰ってきてないの??今何時だと思ってるの・・・・・・・」

いちいちうるせぇんだよ。
電話口でわめくな。
だいたい向こうから言い出してきたことじゃねーか。
いいんだよ、もう。
わかりきったことだろ。
もともとこうなんだよ。
あいつは。

なんとも思っちゃいねーんだよ。
おれたちのことを。

昔からそうだっただろ!
あいつは!

くそっ!!

どん!!
いって~!!


壁をむやみに殴った拳に僅かにめり込んだ砂状の壁材を払いながら、
真行は身悶えるしかなかった。

ぼろ家が!!畜生め!!


「あんた、また何してるの??」

奴からの電話を終えた優華は、まるでそこにある生ゴミを避けるように、軽やかな足取りでこちらに近づいてきた。