05.18.07:01
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07.18.18:30
H14論述
H14小論文
(著者は2002年の設定)
(題:骨子)人為的な介入が生態環境に及ぼす負の影響を鑑み、環境と調和した地球作りをするためには、今後我々人類はどうすべきか。論ぜよ(800字程度)。
生態系とは、非常に複雑なバランスの上に成り立っており、故にその構造上、一部に不具合や欠陥が生じると、食物連鎖の作用によりその地域の生態系が損なわれてしまう、といった事実は周知のものである。その不具合を生じさせている最たる元凶は我々人類そのものである、という事実もまた揺るぎない真実である。率直に言うと、我々が快適な生活を望めば望むほど、そこで太古の昔から生を営んできた者たち――それは昆虫であれ、鳥であれ、植生であれ――はその地位を、豊かに繁栄する権利を我々に不当に奪われてきた――。それが、我々が有史以来生態系に与えてきた負の業であろう。
しかしながら、これは弱きものは強きものに食われる、といった自然界が定める弱肉強食の掟そのものであり、何も自然の摂理に逆らうものではないものかもしれない。だが、そのように解釈し、我々が思うがままに振舞おうとしてきたその集大成が、現在世界中で顕著な形で表れてきている。そう、我々が生態系を蹂躙することは、結果的に我々自身の行く末を閉ざすことに他ならない。例えば、ある生態系のバランスが崩れ、ミツバチの数が激減したとする。それはすなわち、その地域の食物の受粉率が4割減少し、換言すると食料生産量が4割減少することを意味する。勘違いしてはならない。我々は決して雲上人ではなく、あくまで自然界の中で生を営んでいる、食物連鎖の頂点に君臨する、ただ一つの生物種であるということを。
我々の責務はただ一つ。それは、生態系に極力負荷をかけない社会システムを綿密なシミュレーションに基づき設計し、それを構築し、そして半永久的にそれを運営していくことにあると思う。世界はここ100年余りで驚くほど小さくなり、科学技術は飛躍的に発展し、生態系のメカニズムもかなりの精度で解明されつつあるが、残念ながらそれのすべての関連性を明示するのは困難を極めるという。従って我々は、壊滅的な生態系崩壊を起こさぬよう、世界規模で循環型社会を構築していかなければならないのである。
(816字)
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