05.18.12:04
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07.17.15:40
H13
H13小論文
(著者は2001年の設定)
(題:骨子)地球温暖化防止の観点から、電力市場自由化の是非を論ぜよ(800字以内)。
まず、諸発電方法におけるCO2排出量ついて概説する。CO2排出量が最も多いのは、火力発電である。これは原料により差異はあるものの、一般的な原子力発電と比較しておおよそ30~50倍のCO2を排出する。水力および原子力はほぼ同等の排出量であり、風力や太陽光などの新エネルギーはこれの約2倍程度である。よって、地球温暖化防止の観点からは、火力発電の割合を減らしていかなければならない。
次に、発電方法ごとの電力料金について述べる。一番高いのは、太陽光や風力の新エネルギーであり、一番安いのは原子力発電である。電力価格の国際比較を考えれば、我が国が高いのは事実であるが、それは電力安定供給に支払っているコストと解釈できる。もし、自由化となった場合、発電コストの安い原子力に投資を行うべきであるが、新規参入する会社にとっては原子力のような大規模なコストのかかる初期投資は望めない。そうなると、火力、もしくは設備容量の小さい風力や太陽光が新規参入会社のターゲットとなってくると思われる。しかしながら、前述したようにこれらの単位発電量当たりのコストは高く、加えて送電線などは他社のものを借用しなければならないのが現状である。したがって、単に自由化を図るだけでは電力価格の低減には早期に結びつかないものと思われる。また、コスト競争に主眼を置いてしまうと、電力業界最大の責務である安定供給性を損なうことになりかねない。
これらの前提を踏まえて、私は電力市場の自由化は行うべきであると主張する。地球温暖化防止の制約のもとでは、当然それの原因たる発電方法を改善ないし新エネルギー等で代替していかなければならない。そのための投資を積極的に引き出すためには、自由化による競争が最も効率が良い。またそのためには参入各社が単にコスト競争にのみに走らず、業界全体でCO2削減のプロパガンダを掲げつつ、共闘していく体制作りもまた求められるものと思われる。
(796字)
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