05.18.11:28
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08.01.17:30
H13論述SS
H13小論文SS
(著者は2001年の設定)
(題:骨子)地球温暖化防止の観点から、電力市場自由化の是非を論ぜよ(800字以内)。
電力は、出力調整の制御や変換効率が高く、一般的に扱いやすいエネルギーとして認識されている。地球温暖化の原因とされる温室効果ガスは、言うまでもなく火力(石油・石炭・天然ガス)発電から最も多く排出される。
電力自由化は、自由競争により火力発電などの温暖化に寄与する発電法に対してその高効率化や、あるいは再生可能エネルギーを利用した代替発電法にリプレイスされていくインセンティブが高まることが期待される。もちろん、電力価格も競争により低下することも見込まれる。しかしながら、この両者は必ずしも健全に進行していくとは限らないと思われる。価格競争で生き残るならば、より安価な発電方法が推奨される。それは、初期投資、運用費用ともに鑑みた場合、現状はやはり火力発電がコストの面で最も優れており、現に最近では石炭火力や天然ガス火力発電では、コジェネレーションシステムを併用して熱効率は60%台に達している。初期投資が高く、費用回収が十分に見込めない再生可能エネルギーや、大出力は得られるが初期投資や運用リスクが高い原子力発電よりは、火力発電が電力会社によって勝ち残る手段として重宝されてしまうかもしれない。
従って、電力自由化に踏み切る際は、様々な角度からその影響を予想し、温室効果ガス排出抑制と電力価格がどのレベルであればイーブンになるかをしっかりと見積もる必要性があろう。また、当然ながら、電力供給の安定性・信頼性を欠いてはならない。
以上のことから電力自由化に踏み切る際は、まず各電力会社が有する各種発電法に対し、温室効果排出ガスの割合に応じて、料金にその偏差を上乗せさせる。次に、再生可能エネルギーなどを運用する零細電力会社に対しては、当該地域の主力電力会社との共同運用を行う、そして各社に対し温室ガス排出抑制度に応じた新たな格付けシステムを適用するようにすれば、競争による暴走を抑制することが可能となると思われる。
(800字)
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