05.18.11:28
[PR]
07.21.22:19
H16論述
H16小論文 Part1
日本のエネルギー安定供給性を高めるための方策として、以下の二つの方策があるとする。
①化石燃料や原子力エネルギーなど従来型エネルギーの利用効率向上のための技術開発の促進
②再生可能エネルギーの利用技術開発の促進
①の立場であると仮定して、その論旨を述べよ(800字以内)。
日本のエネルギー自給率はわずか4%であり、諸先進国比較しても水準が著しく低く、日本はエネルギー資源のほとんどを輸入に依存しているというのが現状である。それは化石燃料がほとんどを占め、また国内で利用される一次エネルギーのほとんどが化石燃料や原子力エネルギーに基づくものである。
従って、国内の電力使用量のおおよそ9割を供給する化石燃料による火力エネルギーおよび原子力エネルギーの利用効率向上のための技術開発を行っていくことは、極めて重要である。
化石燃料については、石油・石炭・天然ガスに大別されるが、CO2排出量が最も少なく、かつ輸入相手国についての多角化が期待できるのは天然ガスである。将来的にOPEC、ASEAN、ロシアなど多角的な輸入政策を採れば、石油のような中東依存を招くことなく、輸入途絶や価格の大きな変動などのリスクを軽減できるものと思われる。また、石炭火力については、技術的に発電効率が大幅に上昇し、高いエネルギー変換率を達成しており、また、石炭の輸入先もオーストラリアや中国など多角化しているので、一極集中のリスクは低くなっている。従って今後は天然ガス及び石炭発電において、高効率のコジェネレーションシステムなどを採用して利用効率を向上させていくべきである。
原子力については、老朽化した原子炉を順次リプレイスし、点検期間間隔を広げることで、利用効率および出力を向上させていくべきである。また、使用済み燃料の安定的な処分サイクルを国内において早急に確立することも忘れてはならない。また、ウランは有限である。高速増殖炉や高温ガス炉、あるいは核融合炉などの次世代炉の研究開発を積極的に行っていかなければならない。
化石燃料は、次世代原子炉が誕生するまでの橋渡し的な役割を演じ、その後は原子力が基幹エネルギー源になると思われる。ともあれ、化石および原子力が日本のエネルギーを今後も支えていくであろう。
(792字)
- トラックバックURLはこちら